RCサクセション「忙しすぎたから」
「忙しすぎたから」
歌:RCサクセション 作詞:林小和生 作曲:肝沢幅一
楽しいゆうべに
僕の友達は
ゴキブリと一緒に
昼寝をするのさ
夏が攻めて来て
蒸し暑い毎日でも
夕方になれば
とても涼しい
昼間のうちに宿題を片付けて
眼鏡を外して
星をみるのさ
この頃は誰も
口をきいてくれないから
僕は寂しくて気が狂いそう
生駒里奈 マネキンのまばたき(前編)
2012年12月19日にリリースされた乃木坂46の4枚目シングル「制服のマネキン」ミュージックビデオ。
レーザービームが交差する体育館のフロアをメンバーの作る花道から生田絵梨花、星野みなみに続いて、淡々とした歩調で進んでくるセンターの生駒里奈。
それまでやや上からの位置でメンバーを捉えていたカメラが正面にスイッチ、このときのレンズがズームする動きと生駒里奈の長いまばたき、そしてバックで踊っているメンバーの動から静への動き、そして生駒が目を開くのが合図だったかのように再び動きを始める制服のマネキンたち。
「制服のマネキン」MVは、他の乃木坂46の楽曲MVと同様、2015年12月に乃木坂46のミュージックビデオ集『ALL MV COLLECTION〜あの時の彼女たち〜』が発売されるまでYouTubeで普通に視聴することができたが、現在では冒頭の2分弱の「Short.Ver.」に差し替えられている。
フルバージョン公開当時、「制服のマネキン」MVは乃木坂46の楽曲MVの中でYouTube再生回数の最多を誇り、Short.Ver.に差し替えになる直前の2015年11月の時点で1200万回を超えていた。
1200.9万 制服のマネキン
620.7万 何度目の青空か?
592.7万 ガールズルール
579.2万 君の名は希望 DANCE&LIP
454.4万 命は美しい
432.9万 気づいたら片想い
431.6万 夏のFree&Easy
388.4万 世界で一番孤独なLOVER
341.8万 バレッタ
327.5万 ロマンスのスタート
319.7万 おいでシャンプー
264.3万 シャキイズム
259.9万 走れ!bicycle
227,1万 そんなバカな
214.8万 太陽ノック
212.2万 13日の金曜日
資料出典元→
【乃木坂46】『MV別再生回数』をまとめてみたけど『制服のマネキン』やばいなw : 乃木坂46まとめ 乃木仮めんばー
2位の「何度目の青空か?」にほぼダブルスコアという数字からも、「制服のマネキン」MVは他の乃木坂46の楽曲MVとは一線を画す魅力を備え、乃木坂46ファンを超える魅力を備えているといえるだろう。
テクノ調のダンスナンバー、セーラー服姿でありながら大股になり、床を蹴り、あぐらを組む振付け。「恋をするのはいけないことか」と問いかける無表情のアイドルたち。
そのすべてにおいて「制服のマネキン」はそれまで乃木坂46がリリースしたフレンチポップ路線の楽曲と、メンバーの持つかわいさ、清純さを前面に出した3rdシングルまでのMVとは真逆のアプローチだった。
乃木坂46のMVは大きくダンス&リップシンク(「ぐるぐるカーテン」「夏のFree&Easy」「インフルエンサー」など)、ドラマ仕立て(「おいでシャンプー」「バレッタ」「何度目の青空か」など)、ドキュメンタリー仕立て(「君の名は希望」など)の3種類に分けることができる。また、それらの複合で構成されている作品も少なくない。
それらMVは、プロモーションという目的だけでなく、楽曲の世界観を補完する働きを兼ねている。
「恋愛禁止」を謳っているアイドルに「恋をするのはいけないことか」と歌わせるのは秋元康の過去からの仕事を振り返ると常套手段、専売特許だ。そこに目新しさはない。
「制服のマネキン」という一見ありふれたアンチテーゼを歌ったダンス&リップシンクのみで構成されている楽曲MVがYouTube再生回数1200万回を誇った要因。
それは、世界観を補完するだけでなく、メッセージソングから物語(フィクション)への変換がなされたからではないだろうか。
その物語のリアリティレベルを上げる大きなピースとして、生駒里奈の存在抜きには語れない。
冒頭の生駒里奈の長いまばたきは、楽曲が物語としての扉を開くきっかけであり、彼女自身にとっても表現者として目覚めた瞬間でもあった。
(続く)
エピソード46 君の名は希望
遠い昔、はるか彼方の銀河系で…。
秋田県由利本庄市に生まれた少女は歩けるようになった2〜3歳の頃から踊ることが好きだった。小学3年には地元のダンススクールでジャズダンスを習い始める。
小学5年には学校のクラスでいじめにあい、ひとり放課後の図書館で『ハリーポッター』やダレン・シャン『デモナータ』といったファンタジー小説の世界に逃げ込むように没頭する。
中学では初めてできた親友から『少年ジャンプ』をすすめられ、『銀魂』『NARUTO』『ONE PIECE』などのマンガにハマる。その頃から二次元ヲタの道をまっしぐら、ながらもスポットライトを浴びてダンスを踊る快感も代え難いものだった。
中学3年生の時の文集には「非日常を送りたい」と書いた。
地元の高校に進学すると、クラスに馴染めず「学校から逃げたい」と思うようになる。中学では吹奏楽部に入っていたが、高校に入ってからは毎日家でぼーっとした日々を送っていた。
アカデミー(士官学校)への留学を希望するものの、叔父さんと叔母さんから反対され、ルークはひとり丘の上で落ちる二つの夕日を眺め、思う。
(オレの人生はずっとこのままなんだろうか…)
そんなある日、父から新たに結成されるアイドルグループのオーディションを受けてみることをすすめられる。昔から芸事にいい印象を持っていなかった父なのに、同じダンススクールの生徒が「赤毛のアン」のミュージカルのオーディションに合格した新聞記事を見せてまで娘にアイドルグループのオーディションをすすめてきた。
父のプッシュと「夏休み中だし、もし合格したら毎日ダンスができて面白そうだからいいかな」という軽い気持ちから書類審査に応募。
提出した写真は高校入学式の日に家の前で撮ったものだったにも関わらず書類審査を通過し、仙台での2次審査、東京での3次、4次審査にも合格。オーディション期間中なのに自分で切った前髪がギザギザであるにも関わらず、あれよあれよいう間に8月21日SME乃木坂ビルで行われた最終審査に進んだ。
最終審査の自己PRでは「加藤夏希さん、渡部秀さんに続く、地元出身の3番目の有名人になりたいです!」とアピールし、歌唱審査ではピコの「桜音」を歌った。
応募総数38934人のオーディションの最終結果は、合格。暫定選抜メンバー16名の中にも選ばれる。
そして、翌年2月22日発売の乃木坂46デビューシングル「ぐるぐるカーテン」。ミュージックビデオの真ん中に立っていたのは、「非日常を送りたい」「学校から逃げたい」と願っていた少女、生駒里奈だった。
サウスパーク
アメリカのTVアニメ『サウスパーク』にハマった。
きっかけは、NHKラジオ第1『すっぴん!』のレギュラーコーナー「高橋ヨシキのシネマストリップ」2017年1月6日放送分を聞いたから。
これまでも「シネマストリップ」で高橋ヨシキさんがおススメされた映画にハマったことはあったけど(『ゾンビ』『ゼイリブ』など)、『サウスパーク』は自分にどんぴしゃだった。
その魅力は、番組パーソナリティーの高橋源一郎さんの言葉が端的に表していると思う。
「これを見ないで生きる人生はさびしいね」
『サウスパーク』は、家族、友情、恋愛、性、政治、社会、経済、宗教、戦争、芸能、病気、障害、差別、LGBT、アルコール、ドラッグ、ポリコレ、アイドル、ディズニー、ポケモン、腐女子、ヲタク、ユーチューバー、ドローン、SNS、etc...、世間を騒がせている、注目されているあらゆる事象をネタにする。
TVの生放送で「niggers」と発言してしまったランディに謝罪の印として「Kiss my ass」を要求するジェシー・ジャクソン牧師。
シーズン11第1話「With Apologies to Jesse Jackson」より
そして、その姿勢はとにかく自主規制しない、忖度しない。つーか、自主規制や忖度する世の中の空気までも、スラングとドタバタと下ネタとグロとバイオレンスをまぶしたギャグにして笑い飛ばす。
サウスパークは無敵だ。でも無敵だからハマったんじゃない。くだらないほどおもしろいからハマったんだ。
高橋源一郎さんの言うとおり、サウスパークを知って、人生が少しだけさびしくなくなった。
『サウスパーク』公式サイト
『サウスパーク』英語版OP
『サウスパーク』日本語版OP
2000年のアカデミー賞授賞式で、映画『サウスパーク/無修正映画版』の主題歌「ブレイム・カナダ」をコーラス隊を従え、歌い踊るロビン・ウイリアムズ。
吉祥寺のおもちゃ屋さんでゲットしたフィギュアセット。左から、スタン、カイル、エリック、ケニー、バターズ。
ヤフオクでスタンがプリントされたTシャツもゲット。
オリジナルのサウスパーク風キャラクターがつくれるサイト。
「乃木坂ドンジャラ放浪記~激闘バスラ篇」(『アイドルと文学 vol.2』掲載)
5月7日(水)、「文学フリマ東京」で販売された小冊子『アイドルと文学 vol.2』に「乃木坂ドンジャラ放浪記~激闘バスラ篇」という小説を寄稿しました。
ブログ向けに組み直した原稿を転載します。
「乃木坂ドンジャラ放浪記~激闘バスラ篇」
(一)
「ドン――」
私の「リーチ」にかぶせるように親の下家が牌を倒した。開局一局目の、しかもまだ三巡目だ。
「なぁちゃん、いくちゃん、生駒ちゃんの『歴代センター』か。二百十点だな」
まいやん推しの達さんが自分の手を崩しながらいった。
「——いや」と、私は先ほど捨てたばかりの を見つめなが
ら、しぼり出すように声をあげた。
「ノックだ」
そう、生駒里奈をセンターに、その両脇を西野七瀬、生田絵梨花で固めた乃木坂46の十二枚目シングル表題曲「太陽ノック」フロント中央メンバーだ。
「この役は役一覧には載ってないが、値段はいくらでしょう?」
下家が無表情でつぶやいたが、私に訊ねているのは明らかだ。
まだ耳には先ほどのライブで聞いた生駒ちゃんの煽りが残っている。バスラ三日目は太陽ノックでスタートしたのだ。
(ノックを、このタイミングで、しかも俺が打った生駒ちゃんで上がりやがった)
私は点数箱から四百六十点分のチップを奴の前に積んだ。
この点数は奴に対しての敬意ではない。あのときの推しの勇姿、会場の熱気、そして私自身の興奮を考えたらこの役に鼻糞みたいな点数を出せるか。
(二)
『乃木坂46 5th YEAR BIRTHDAY LIVE』の千秋楽を見終えるや、私は会場のさいたまスーパーアリーナから数分の場所にあった飲み屋に立ち寄った。
表の看板に「乃木坂ドンジャラあります」と書かれていたからだ。
乃木坂ナンバーが流れる店内はすでに推しタオルを首から下げた乃木ヲタで満席状態だったが、奥のドンジャラ用の個室に先客は二人しかいなかった。
「どうぞお手柔らかに」といいながら、私も生駒里奈と書かれた推しタオルを首に下げた。私の上家に座っているのが白石麻衣推しの達さん、対面が伊藤万理華推しの鎌田さんというかたで、二人は顔見知りらしくバスラには連番で入ったらしい。
三人でビールを飲みながらバスラの感想で盛り上がっていると、しばらくして齋藤飛鳥の推しタオルをかけた青年が入ってきた。
年に一度の祭であるバスラ直後というのは乃木ヲタの誰しもが一様に浮かれ高揚しているものだが、人見知りなのか、その青年だけやけに口数が少ない。卓についてから発したのは「名前は三井といいます。飛鳥推しです」と「終電が早いンでゲームは東風戦一回のみでお願いします」だけだった。
面子がそろったところで、さっそく使用するメンバー牌の選別に入った。
「俺の二推しはななみんなんだけど、やっぱもう外すべきだよな」
達さんが をつまみながらさびしげにつぶやいた。
「まいやん推しの達さんにしてみたら御三家や孤独兄弟の役を狙いたいところでしょうが、一日目の卒業公演を終えた時点でもうななみんの牌は使うべきではないでしょうね」
鎌田さんが慰めるようにあとを引き継いだ。
四人の希望を取り入れた結果、次のメンバー牌に決まった。
「おいおい、選抜メンバーの中でもフロント常連がほとんじゃねェか。俺ァ、こんな豪華メンバーで打ったことねェよ」
さきほどの感傷はどこへ行ったやら、達さんが口笛を吹きながらいった。
「たしかにスゴいメンバーですね。生生星、温泉トリオ、92年組、咄嗟、Threefold choiceまである」
鎌田さんが指を折りながら同意した。
たしかにその通りだが、私はメンバーよりも、三井が希望したメンバーが推しの飛鳥ひとりのみだったのが気になった。
「その代わり」と青年がいった。
「ヤミテンあり、というルールを採用してくれませんか」
通常、ドンジャラのテンパイはリーチが原則だが、今回の面子は皆ドンジャラ経験者ということでこの主張はすんなり通った。
(三)
そうして始まった一局目は、私の推しメンの放縦という結果に終わった。
(ヤミテンありにしたのは最初から狙っていたということか)
四百六十点というハンデ以上に、初回からこれほど大きなケチがついたのでは風向きを自分に吹かせるのは容易なことではない。当面優先すべきは、自分の上がりよりも奴をこれ以上調子にのせないことだ。そのためには誰かと手を組む必要がある。
「それにしても」と、私の思惑を他所に、達さんが洗牌しながら呑気な声を出した。
「最初に乃木坂ドンジャラなんてモンを思いついたのはどこのヲタなんだろうな。鎌田さん、知ってる?」
「聞いた話ではボニーなんとかっていう名前の生駒ちゃん推しらしいですよ。AKBドンジャラはあるのになんで乃木坂ドンジャラはねェンだ、ってことでAKBドンジャラの上にメンバーの顔画像を貼って自作したとか」
鎌田さんはかなりの事情通のようだ。
「いちばん苦労したのは、メンバー牌のグループ分けだったとか。AKBドンジャラの場合はチームA、チームK、チームBでメンバー牌の色が分けられているンですけど、乃木坂にはそういう大きなチーム分けってないでしょ」
「そういえばそうだな」
「なので、グループは年齢別に上から四つに分けることにしたそうです。現メンバーでいえば新内眞衣から高山一実までが赤色グループ、桜井玲香から伊藤万理華までが青色グループ、中元日芽香から川後陽菜までが黄色グループ、和田まあやから渡辺みり愛までが緑グループという今の形に」
「なるほどねェ。たしかに乃木の場合、年齢別がいちばん無難かも知れねエな」
「ええ。それにメンバーの代わりに使える“色別オールマイティ牌”の数が赤、青、黄が二枚に対して、緑グループだけが一枚なのは年少メンバーの数に合わせているとか」
「芸が細かいねぇ。関係なくすべてのメンバーに使える“乃木オールマイティ牌”の色が乃木カラーの紫ってところがまたニクいじゃねえか」
ふたりの会話の間に三井の三本場になっていた。
そして四巡目に三井が「リーチ」と静かにいった。
捨牌からは や青色グループ 辺りが臭う。おそらく、色別グループによる三色だろう。
にも関わらず、鎌田さんが捨てたのは だった。
鎌田さんだってドンジャラの初心者ではない。これ以上奴を調子にのせると取り返しのつかないことになることくらい百も承知だろう。にも関わらず危険牌を振ってくるということは――。
三井のリーチに対して私と達さんが現物でしのいでいるのを他所に、鎌田さんの捨牌はこんな様子だった。
間違いなく、推しメン牌 が絡むデカい手が入っているのだ。
さゆまりは確定だろう。そこにもうひとり誰を持ってくるか。黄色のオー
ルマイティ牌を切っているので、 を入れた温泉トリオは
薄い。咄嗟の か、それとも――。
次のツモ番。私はツモ牌を抜きながら同時に左隣の牌を手中に隠し持っていた牌とすり替えた。
あとは鎌田さんが贈り物を受け取ってくれるかどうかだ。
鎌田さんが私がすり替えた牌をツモり、納得したような視線を送ってきた。すかさず を捨ててリーチ。
そして、次の三井の打 を見て誇らしげに宣言した。
「ドン、です」
「環六か。鎌田さん、いい役上がったね」
達さんが手を称えるや、鎌田さんは恐縮しながら、
「飛鳥を入れた咄嗟と迷ったんですが、バスラ二日目の咄嗟に飛鳥はいなかったのを思い出したンです」
と返した。
「なるほどねェ。それにしても、この環六にしたって、ポニーなんとかが乃木坂ドンジャラ作ったときにはなかった役だろ。次から次にユニットができるンだからこの年になると新しい役なんか憶えきれないよ」
「いや、それが乃木坂ドンジャラのおもしろいところですよ。新しいユニットはもちろん、面子が納得する関係性がつくれればその場で新しい役が生まれるンですからね」
鎌田さんが照れくさそうな顔を私に向けながらいった。
(四)
オーラス。親番は私だった。
三井は環状六号線を振ってからもリズムを崩すことはなかったが、あのすり替え技でツキの風向きを鎌田さんと私に向けることに成功したようだ。
それでも点差は依然、三井のトップ。僅差で鎌田さんが二着。私と三井との差は約六百点と少々。
私がトップを取るにはあの役しかない。配牌はよくなかったが、私は最初から牌を山からガメてくるようにツモった。
十一巡目、私の手についに最後の が入った。迷わずリーチ。
その三巡後、三井がそれまでとは打って変わって大きく重い声を出した。
「とおれば、リーチ――!」
セオリーなら、役を考えず安手で終わらせてしまうところをリーチしてきたということは、捨牌からも奴の手はあの役しかない。推しの単メン、オール飛鳥だ。
(最後の最後に奴にツキが戻ってきたか)
このテンパイ、一見五分五分のようだが、色別オールマイティ牌が一枚多いこちらの方が有利だったのだ。にも関わらず真っ向から挑んで、張った。
(気合いでは完全に負けてたな――)
私と三井のリーチに、達さんはおろかトップ射程圏内の鎌田さんまでがオリてしまったようだ。ハンパな手で我々の勝負に水を差したくないのだろう。
そして、最後の乃木オールマイティ牌を引いたのは私だった。
私が倒した手を見て最初に声をあげたのは達さんだった。
「すげェ手だが、単メンの点数は六百点だ。トップには届かないぜ」
「いや――」と、三井が会場が青と紫のペンライトで染まったあのときの光景を思い出しているかのような表情でいった。
「なるほど、推しのサイリウムカラーとは気がつかなかったな。乃木オールマイティ牌の紫をそう使うとは――。今日の『水玉模様』、俺の目からも最高でした」
卓上では自らのサイリウムカラーのなかで私の推しが微笑んでいた。
(了)