舞台『モマの火星探検記』(ややネタバレあり)
観劇後、生駒ちゃん推しの友人と語り合いながら重ねた生ビールとウーロン割で相当回った頭をなんとか運び、やっとのことで終電近くに家の最寄り駅に着いた。
ぼくの頭は、舞台『モマの火星探検記』を振り返ると同時に、小松左京の小説『日本沈没』に出てくるある台詞を思い出していた。
「あんた、この日本列島に恋をしていたのじゃな」
ぼくにとって、舞台『モマの火星探検記』は「宇宙に恋をした地球の物語」だった。
「地球」とは生駒ちゃん演じた14歳の少女「ユーリ」であり、矢崎広さんが演じた主人公「モマ」であり、モマの同僚である宇宙飛行士たち、ユーリとロケットをつくる友達たちであり、ぼくたち観客だ。
そして、表情豊かにしゃべり、天真爛漫に踊り、歌うユーリはまさしく地球というエネルギーの象徴だった。
「絶対にあきらめない!」
生駒ちゃんが、ユーリが、エネルギーを強く発している場面ほど涙がこぼれてきた。
“きこえますか このこえが”
ユーリのエネルギーはメッセージとなり、モマのいる火星からも、ユーリやぼくらのいる地球からも聞こえてきた。
そしてすっかりぼくは地球(ユーリ)に恋をしてしまった。
最高の感動をありがとう。