ライトセーバーを捨てたルークと、卒業センターを断った生駒里奈

遠い昔、はるか彼方の銀河系で…。
 

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 20thシングルをもって乃木坂46からの卒業を発表した生駒里奈が、3月12日付の日刊スポーツにラストシングルのセンターポジションの打診を断っていたことを明かした。  

 

秋元(康)先生は『生駒センターの卒業シングルを作りたい』と言ってくださいましたが、『ありがたいお話なんですけど、私はそれを望まないです』と答えました。


 生駒里奈は、秋元康によってアイドルとして乃木坂46のセンターとして見出された。
生駒がデビューから5作連続センターに立つことができたのは、秋元康の意向あってこそだったのは間違いない。


 その秋元康の最後の要望に「NO」を突きつけた生駒里奈は、やはり『スターウォーズ』のルークをほうふつとさせる。

 

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〜『スターウォーズ ep6 ジェダイの帰還』あらすじ〜

ルーク・スカイウォーカーは、父であるダースベイダーにかつてのジェダイの魂を取り戻させるため、帝国軍に投降する。父はルークの説得に応じることなく皇帝の下に連行。
皇帝はルークをダースベイダーに代わる自分の右腕にすべく、ルークを暗黒面に誘惑する。
「怒りに身を任せて余を討て さすれば暗黒面への道は完結する」
同時にダースベイダーもまたルークと共に皇帝に代わって銀河を支配する野望を秘めていた。
一度は暗黒面に堕ちかけ父を圧倒、その右手首を切断しとどめを刺すのみとなったルークが次にとった行動は、ライトセーバーを捨てる、だった。
「僕はジェダイだ。父がかつてそうだったように」
ルークが真のジェダイとなり、父を乗り越えると同時に、銀河を舞台に連綿とつながれてきた鎖(サーガ)を断ち切った瞬間だった。

 

 

 ラストシングルの卒業センターを断った理由を生駒は次のように語っている。

 

もちろん普通のシングルでセンターを担うことができればすごくありがたいことなんですけど、曲が私の「卒業シングル」って形になっちゃったり、すぐオリジナルのセンターで歌えなくなっちゃうのもいやだったので。レコード大賞をいただいた後の次の大事なシングルだし、長く歌い継がれてほしいと思ったんです。

 

 振り返れば、『BRODY』2017年6月号で、生駒里奈は「もう一度センターをやらせてほしい」と胸の内を明かしていた。

 

もし、一回でもチャンスをもらえるのであれば、そのチャンスを逃さない自信が今はあります。だから一回でいいからセンターをやらせてほしい。

 

 生駒にとってセンターとは、憧れや思い出づくり、今のポジションに不満があるからといった我欲を満たすためではなく、「世の中に大きな衝撃を与えたい」「新しい乃木坂46を見せる」ためだった。

 乃木坂46を真の意味で国民的グループにするための戦いの持ち場としてセンターというイチポジション望んでいたのだ。

 自分ひとりのための卒業シングル、卒業センターに「NO」を突きつけたのは彼女にとって当然だったのだろう。

 

 卒業センター、卒業シングルが悪いわけではない。それによって思いを満たされるアイドル、メンバー、ファンも多いだろう。
 しかし、生駒は、卒業センターという昨今の乃木坂46の、引いてはアイドル業界の慣例を乗り越えたその先を望んでいるはずだ。

 

 ライトセーバーを捨てたルークと、卒業センターを断った生駒里奈
 「スターウォーズ/ローグワン」でデススターの設計図を受け取ったレイアがつぶやいたように、最後に「希望」を託くしたと思いたい。

 

 

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