妙に変だなァ、生理用ナプキンのCM〜あの日見たCMの意味を僕達はまだ知らない。その1〜
中学生くらいまで、「これは何の商品のテレビCMなのだろうか」と思っていた。
男兄弟で育つと、どうしても“あっち方面”の知識を得るのが遅くなる。
あっち方面とは“生理”のことだ。睡眠とか排泄とか睡眠の三大生理欲求ではなく、RCサクセションが「♪月光仮面が来ないのと〜」と嘆いた方。
以前、Web読み物「ヒビレポ」に、かつて姉妹に生理が来た日、晩飯に出された赤飯に戸惑う少年の気持ちを前後編の二回にかけて書いた。
「あの日晩飯に出た赤飯の味を僕達はまだ知らない。その1」
http://www.repo-zine.com/archives/9851
「あの日晩飯に出た赤飯の味を僕達はまだ知らない。その2」
http://www.repo-zine.com/archives/9981
なぜ晩飯に赤飯が出たのか理解できないということは、当然、“それ”をフォロー、ケアする生理用ナプキンがどういうものかも知らないということだ。
そして、知らないヤツは放っとけと言わんばかりに、ナプキンのCMはあまりにも曖昧、あまりにもデリケートな表現が多すぎるのである。
百聞は一見に如かずなので、まずは過去のCM動画をご覧いただきたい。
まずはこれ。
90年代前半頃に流れていたCMだろうか。うろ覚えだけどリアルタイムで見た気がする。
途中に商品パッケージや使用例が挟まれているとはいえ、さっきまで「ひょうきん族」や「志村けんのだいじょぶだあ」で大笑いしていた少年には何のCMかさっぱりわからなかった。
大体、「いつもの私がいちばん好き」なのを表現するのに、なんで役柄が友人の結婚披露宴の受付なんだ?
また、リアルタイムでは見た覚えはないが、これも生理用ナプキンのファジーさ、デリケートさを表しているCMだ。
ユニ・チャーム チャームナップミニCM 80年代 - YouTube
なんでこの女の子は泣いているんだろうか? しかも草原で。
今なら悲惨な犯罪を思い浮かべてしまうところだが、おそらく同い年くらいのぼくの目には「同級生の男の子にリコーダーを...」「同級生の男の子に自転車のサドルを...」と映っていただろう。
また、
【1995 CM】ユニチャーム チャームボディフィット - YouTube
これもよく見たなあ。95年といえばぼくが中学1年の頃だ。
たしか、飯島直子がジョージアのやすらぎパーカーのCMで大当たりし、“癒し系”のキャッチコピーでブイブイ言わせていた頃だ。
ナプキンのCMは出演者を寝かせたがる。パジャマや布団、枕はヘビロテで目にする。
「夜でも安心」はこの業界の常套句である。形状的にアイマスクのCMと勘違いするキッズがいても不思議ではない。
頻繁に登場するもうひとつのギョーカイ用語、“羽”。
これは97年頃のCMだろうか。不況が長く続いて制作費が出なくなったのか、この辺になると出演女優による独白バージョンが多くなってきたような気がする。
ところで“羽”ってなんだ? 形状的に「王将」のCMと勘違いするキッズがいても不思議ではない。
このように生理用ナプキンのCMは、よく素材の吸収性を試すために垂らされる液体のように限りなく透明に近いブルー(この液体についてもいずれ調査結果をお知らせしたい)ではなく、グレーなのである。
姉ちゃん、妹がもじもじしている晩に赤飯が出たときと同じく、子ども心になんとなくアンタッチャブルな物件のような気がして気軽に親にも聞けないし。
といったところで、今回は生理用ナプキンがCM界でいかにデリケートなものであるかを説明したところでお開き。第2弾(過去のCM出演者の分析)につづく。